嵐山町の放射能汚染
3.11以後の福島原発事故により日本中の放射能汚染が深刻になりました。
原発社会は放射能汚染とセットです。
福島原発事故後、日本中、放射能汚染に向き合って生活せざるをえません。
現在、町で測定している放射能空間線量は外部被ばくをいいます。
放射能汚染は外部被ばくと内部被ばくjの両方をいいます。
外部被ばくは、放射能を体外から受けることをいいます。
日本では、一般に外部被ばくだけが問題になっていました。
広島・長崎への原爆も外部被ばくだけが問題とされるように意識的に操作されていました。
内部被ばくの問題は、チェルノブイリの原発事故による子どもたちへの影響がはっきりしてから、
注目されるようになりました。
放射能については,しきい値(これ以下であったら安全という値」はありません。
原爆や核実験、チェルノブイリ事故、スリースマイル島の事故で、地球上には放射能がばら撒かれてしまいました。
そのために、放射能はこの程度であるなら人間生活の許容範囲という値が示されています。
それは、1年間1ミリシーベルト以下にすることです。(内部被ばくも外部被ばくも含めてです)
嵐山町でもようやく、空間放射線量を測定するようになりました。
これには、嵐山町の「子どもたちの未来を考える会」の活動がきっかけになっています。
それまでは、放射能汚染について嵐山町はまるで事態が発生していないように冷淡でした。
東日本の放射能汚染の状況は深刻です。
下記の表は7月29日の文部科学省発表都道府県毎環境放射線量(月間降下物)の抜粋です。(mbq/km2)。
H22年3月 | H23年3月 | H23年4月 | |||||||
ヨウ素 | セシウム134 | セシウム137 | ヨウ素 | セシウム134 | セシウム137 | ヨウ素 | セシウム134 | セシウム137 | |
さいたま市 | 不検出 | 不検出 | 0.038 | 24000 | 5400 | 5300 | 120 | 760 | 760 |
福島県 | 不検出 | 不検出 | 0.044 | 分析中 | 分析中 | 分析中 | 分析中 | 分析中 | 分析中 |
宇都宮市 | 不検出 | 不検出 | 不検出 | 140000 | 5800 | 5700 | 500 | 1300 | 1200 |
福島原発事故以前は、さいたま市においての微量・不検出の放射線が、今年3月は1㎢にセシウム134と137あわせ108億ベクレル降下しています。セシウム137は、90年経過でやっと8分の1量に減ります。
子どもの被ばくをできる限り防ぐ必要があります。
町HPより抜粋 | 100cmの測定値マイクロシーベルト/時 | 1年間換算値ミリシーベルト/年 |
七郷小 | 0.16 | 0.84 |
志賀小 | 0.11 | 0.58 |
菅谷小 | 0.08 | 0.32 |
玉ノ岡中 | 0.15 | 0.79 |
菅谷中 | 0.06 | 0.32 |
右のの表は8月8日の学校の空間線量です。
子どもたちの高さは1mのものを記載しました
★七郷小と玉ノ岡中は1年間換算値が高いですね。
町HPより抜粋(乳幼児50cm) | 50cmの測定値マイクロシーベルト/時 | 1年間換算値ミリシーベルト/年 |
菅谷公園(砂) | 0.10 | 0.53 |
蝶の里公園(土) | 0.14 | 0.74 |
フィットネス21パーク(芝) | 0.14 | 0.74 |
嵐山幼稚園(土) | 0.12 | 0.58 |
東昌保育園(砂) | 0.13 | 0.68 |
東昌第2保育園(土) | 0.12 | 0.63 |
若草保育園(土) | 0.09 | 0.47 |
しらこばと保育園芝) | 0.12 | 0.63 |
上の表は、乳幼児にかかる施設の空間線量です。
蝶の里公園、フィットネス21パークが高いです。
1年間の換算値は本当は1時間の値×24×365ですが、
屋外と屋内を分けて計算する方法なので、低めの値です。
まして、いろいろな場所の平均値なので、部分的に高い線量の場所があることが推測できます。
嵐山町は志賀小の運動場は深さ1cmと5cmの検査をしました。
セシウムは表土にとどまっています。
志賀小グランド | 放射性セシウム |
深さ0~1cm | 460ベクレル |
深さ0~5cm | 101ベクレル |
表土は、土中の4.6倍です。
★深さ1cmと深さ5cmを検査し比較した市町村は、嵐山町が初めてです。
日本の土壌検査のあり方は間違っています。
運動場を子どもは掘りません。
子どもは運動場の上でスポーツをしたり、体育の授業をします。
そのため、これでは、子どもへの影響を少なく見せてしまいます。
日本全体文部科学省の子どもの安全を守る姿勢がここで問われます。
町もこのまま放置して、安全というだけであるのは、将来の子どもたちの安全に対しての意識が問われます。
町内のある場所を個人的に土壌調査された結果が不安です。下記は原子力情報資料室の評価報告です
011・7・26
弥永健一(東京海洋大学名誉教授)
報告書(抜粋)
嵐山町のある場所の表土(草の生えていない地面の表層約1cm)を2011年6月30日に測定した結果、放射性セシウム134が470Bq/Kg、セシウム137が560Bq/Kg、合計1030Bq/Kgが検出されたとの報告があります。これによる児童への影響につき、2011年7月25日に原子力資料情報室(東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B TEL: 03-3357-3800)に問い合わせたところ、以下の事柄につき確認できましたので報告します。
1) 放射性セシウムが1030Bq/Kgということは、測定された表土1Kgにおいて毎秒1030回セシウムの核崩壊が起こり、放射線が放出されていることを意味する。
2) 測定された表土の近くで遊ぶ児童が、手に着いた土壌をなめる、あるいは、擦り傷、切り傷からセシウムが体内に入る、または飛散するほこりなどを吸入するなどして体内被曝 を受けるおそれがある。
3) とりわけ、放射性セシウムを吸入した場合、体外に排出されることが困難であり、表土の状況が一定期間変化せず、ほこりの吸入量が1gを超えれば、毎秒約1回の放射線が肺の内部で放出されることになる。
4) 放射性セシウム137の半減期は約30年と長いので、吸入してから100年経過しても10分の1にまで減少しない。
5) 体内被曝による健康被害は特に重大なものになるおそれがあり、問題の表土の近くで児童が遊ぶなどすることは避けるべきである。
放射性セシウムは福島原発災害によってもたらされたものであることは否定できない。
この物質は水との親近性があり、雨水などがたまりやすい場所、特に浅い表土や草地などには長期にわたってとどまることが考えられる。特に児童が近付く可能性が高い場所については、上の測定結果を上回る放射能が検出される可能性もあるので、早急に検査の上、危険個所については近づかないように周知させるなど対策をとるべきである。
また、児童指導者には、上に述べた危険性につき理解していただきたい。
食べ物からの被ばくについても考えなくてはなりません。
厚生労働省の食べ物の基準の上限が高いのです。
●原子力安全委員会の飲食物摂取量で規制値上限が体内に入ると1年間の内部被ばく量は高くなります。
飲料水 | 牛乳・乳製品 | 野菜類 | 穀物 | 肉・魚・卵等 | 被ばく線量 | |
大人 | 1650ml | 200ml | 600g | 300g | 500g | 12.9ミリシーベルト |
幼児 | 1000ml | 500ml | 250g | 110g | 105g | 26.4ミリシーベルト |
乳児 | 710ml | 600ml | 105g | 55g | 50g | 14.9ミリシーベルト |
(原子力情報資料室通信44号より)
うっかり、基準値内だから安全とおもっていても、放射線量は記載してあるわけではないため、気づかないうちに多くなってしまうのです。