(7)積立金による財政のやりくり
本年度予算をみるとあまりの苦しさに驚きます。
家庭でいう普通貯金が少なすぎて限界に来ています。

積立金のことを基金といいます。
 基金は、次の3つの種類に分かれています
   財政調整基金
   減債基金(地方債を返すことのための積立金)
   特定目的基金(役場庁舎を建設するために積み立てていた基金などともうひとつ、ふるさと作り基金・公共公益施設建設基金、福祉基金・スポーツ振興基金)、
   定額運用基金といって土地開発基金と奨学資金貸し付け基金)があります。

嵐山町では、積立金を積み立てたその金額を次の年度取り崩して事業をおこなう形になっています。
が、もうそれも限界で、できなくなる日は、遠くないかもしれません。
下のグラフのマイナス部分は積立金を取り崩した金額です。
H11年と12年の繰り上げ金償還金は、次年度以降に返却しなければならない地方債を、その前に支払った金額です。
将来への負担を少しでも少なくする方法です。
定額運用貯金の奨学資金貸し付け金制度は、取り崩すことはできません。


一般に、財政調整基金額は、標準財政規模の10%はほしいということです。
平成21年度末では5100万円ほどにしかなりません。
特定目的基金は、定額運用基金の奨学金が6400万円・土地開発基金5000万円を含んで13695万円の残高になってしまいます。

事業を見直す必要がでてきました。

平成21年度予算は、財政調整基金のほか、ふるさと作り基金も取り崩して目いっぱい事業をしています。
基金は取り崩しても、決算が決定した段階で、繰越金として、前年度の残りが入ってきます。
それを見越して、財政調整基金を取り崩して、目いっぱい予算を組んで、なんとか、前年度の残額を見込み、それを財政調整基金に繰り入れるというサイクルをが続いて、だんだん財政調整基金の残高が少なくなりました。

下の図は、嵐山町の財政が厳しくなり、財政調整基金が積み立てられなくなる原因として、標準財政規模が国によって意図的に変更させられていることによることががわかります。

 標準財政規模を国が決定することで、地方交付税などを操作できることがわかります。
バブル期に、財政規模を一回り大きくしていますが、その当時は嵐山町も標準財政規模の10%を積み立てることができ、そのほかの目的基金も積み立てることができました。
バブル崩壊後、国は景気対策で、公共事業を推し進めます。バブルの影響は直接地方自治体を襲わず、標準財政規模が大きくなっていきます。
が三位一体改革を進めるに当たって、標準財政規模を小さくしていきます。
地方税は変わらず、標準財政規模が小さくなるので、地方交付税が少なくなり、かつての景気対策による普通建設事業によるインフラ整備の地方債の返済で、財政調整基金の妥当額よりも、少ない金額しか財政調整基金に積み立てることができなくなりました。
標準財政規模の2%以下になったら、本当に厳しい状況だと思います。
平成11年に2.2%、しかしそのほかの基金があることと、平成10年・11年と公債費の借り換えをおこなっているための事情もあります。
平成13年・14年では、その他の基金も減少してきています。
平成20年度の決算はまだ、出ていないのですが、厳しく、21年では、2%をきっていることが推測できます。