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嵐山町・小川町・東松山市住民と比企地域任意合併協議会の関係首長への住民訴訟報告

                         20075月13日

1、訴訟の経過

(1)提訴にいたる経過

東松山市長 坂本祐之輔          東松山市民 Eほか7

嵐山町長  関根昭二    に対して   嵐山町民 渋谷登美子他3名 が訴訟にいたる経過

小川町長  笠原喜平           小川町民 W他1

 

200333日、比企地域8市町村任意合併協議会(東松山市・小川町・嵐山町・吉見町・滑川町・都幾川村・玉川村・東秩父村)を突然設置。

東松山市役所の地下に任意合併協議会事務所を設置し、それぞれの市町村から職員を派遣した。

職員給与及び事務費について、他の任意合併協議会・および構成市町村においては、予算に組み込み、議決するが、予算に組み込まれておらず、議会議決されなく執行した。

521日、第4回の任意合併協議会において、滑川町長・嵐山町長が、6月議会に法廷協議会設置議案を提案しても、議決が難しいことが予測されるとし、結果、解散した。

(2)監査請求

2003523日、東松山市・嵐山町・小川町の住民がそれぞれの長に損害賠償請求を求める監査請求を行う。

小川町・嵐山町の監査請求 任意合併協議会に派遣した職員給与の返還

               東松山市から事務費を請求されても支出してはならない

東松山市の監査請求    東松山市が任意合併協議会に支出した経費・市職員給与の返還請求

(3)2003715日、却下

(4)住民訴訟

2003813日、さいたま地裁提訴

     被告 東松山市長  原告東松山市民

     被告 嵐山町長   原告嵐山町民

     被告 小川町長   原告小川町民

(5)2005525日、棄却

(6)200566日、控訴

   被控訴人 東松山市長 控訴人 東松山市民   棄却 2006228

   被控訴人 嵐山町長  控訴人 嵐山町民    棄却 2006年1月19

   被控訴人 小川町長  控訴人 小川町民    棄却 2006913

(7)上告

   上告  東松山市  棄却    2006711

   上告  嵐山町   棄却    2006721

   上告  小川町   棄却    200728

 

2、任意合併協議会の事務に職員を従事させ、その給与を支払うことが違法である理由

1)任意合併協議会事務は、町の一般事務ではなく、別個独立した団体の事務

   ●広域行政(一部事務組合など)と市町村合併は違う

    広域行政(一部事務組合など)は事務の変更があるだけだが、合併は別の団体になることである。明らかに合併事務は性格が違う。

   ●国、県ともに市町村合併と広域行政は異なる捉え方をしている

  ●他の任意合併協議会は、すべて構成自治体とは別団体の扱いをしている。

    

2)財務会計上の行為・職務専念義務の特例に関する条例違反(地方自治法第9章財務)

  @予算は、単なる見積書ではない。長に対してその執行すべき命令書であって、それに反して執行することはできない。 

   予算に計上していない(法210条違反)

   予算が議決されていない(法211条違反)

   東松山市が他の町村の経費を代替している)(法232条違反)

地方公共団体に必要な経費はすべて地方公共団体が支弁ずる。

地方公務員法35条違反・職務専念義務の特例に関する条例

   (市町村合併の事務は関係自治体の事務ではなく、別個独立した団体の事務)

 

A予算に組込まれていない支出は、長の恣意的な行為であるから私的な支出である。

 

B「任意合併協議会の事務は、調査事務であるから違法ではない」への反論、

予算に計上されている限り正当な支出だが、その肝心な予算計上がされていない。

  調査結果が出ていればまだしも、事前の予測評価(どこと合併したらベストであるかという行政予測評価)もなく、先行されたことで行政評価のしようがなく、無駄な支出である。

  

C任意合併協議会事務が調査事務といえるか

合併枠は選べるものであるが、行政評価しておこなっていない

(自治法214項違反) 最小経費で最大効果をあげなければならない。

 事前の予測評価を行わずに、合併枠を特定しておこなっている。

    調査費として認めたとしても、行政評価なしで、法定協議会を設置を前提としているので、調査事項とはいえない。

 

(3)、直接民主主義違反(憲法92条違反)

  独立でいくか、合併するかは、政策選択であり、どこと合併するかとは異なる。

 独立でいくか、合併するかの政策選択は、長の選挙、議員選挙でもおこなっていないので、住民投票が必要になるが、おこなっていない。

どこと合併するかは政策ではなく、施策選択であり、議員のまかせてもよいが、自治体を消滅させるか否かは、政策選択であるので、住民投票、選挙などの住民のかかわりが必要。

現代は直接民主主義の時代で、直接民主主義でできない部分を代表制に託している半代表である。